横須賀市議会は、2008年5月16日に開催された臨時議会で、「原子力空母母港化の是非と安全性を問う住民投票条例案」を8対33で否決した。2007年2月に続いて2度の直接請求で求められた住民投票条例案(今回の有効署名数48,661筆)は、市長から原子力空母受け入れは、国の専権事項であり、住民投票になじまないという前回とほとんど変わらない意見を付されて審議が提案された。瀧川議員は、今回原子力空母をこのまま受け入れてしまえば、この先数十年もの間、市民は不安な暮らしを余儀なくされると訴えた。しかし、市長は、安全対策は十分成果を挙げている、情報公開も十分という態度を崩さなかった。ネット・横須賀は、この住民投票条例の直接請求活動では、受任者依頼、署名集めや街宣用にネットカーを貸し出すなど共に運動を担ってきた。また共同代表の1人として、15日本会議において意見陳述も行った。引き続き午後に開催された総務常任委員会では、各議員から意見が出されたが、残念ながら安全対策を深く追求する議員は少数で、重箱の隅をつつくような条例案の不備を指摘したり、とおりいっぺんの安全確認をする議員の方が多かった。しかも条例案に不備があると言った議員から、条例案は修正して採択することはできないという発言が出たのには驚いた。理事者からできると言われていたが・・・。そして常任委員会で否決され、冒頭に述べたように翌日の本会議でも、驚くような内容の反対討論も出て否決。その代わりなのかどうかわからないが、国に安全対策の強化や情報公開の徹底を求める意見書を出すことが全会一致で採択された。しかし、国は意見書を受理する義務はあるが、回答する義務はない。様々な偽装問題が露呈している現状で、アメリカ国外で初めての原子力空母受け入れだというのに、日本政府は、安全性を自ら調べようともしない。原子力空母の安全性は偽装されてはいないと、いったい誰が保障してくれるのだろう。国の安全保障はもちろん重要だが、住民エゴにすりかえようとする意見は、力でねじふせようという思惑が感じられる。なぜか必ずテロや隣国のことが持ち出されるのだ。私たちは、それに代わる論理を持たなければならない。
住民投票条例案に対する各議員の投票結果は以下のとおり。
賛成:瀧川君枝・一柳洋・井坂新哉・大村洋子・ねぎしかずこ・
原田章弘・藤野英明・吉田雄人
反対:青木秀介・木下憲司・高橋敏明・竹折輝隆・浜野雅浩・
森ペン・渡辺和俊・若山豊・伊藤順一・青木哲正・伊東
雅之・加藤眞道・神保浩・杉田さとる・松岡和行・山下
薫・丸山明彦・板橋衛・岩沢章夫・鈴木真智子・嶋田晃・
土田弘之宣・西田和恵・室島真貴子・井関功滋・角井基・
芳賀親男・矢島真知子・山本文夫・上地克明・佐久間
則夫・田辺昭人・野村隆弘
棄権:岩崎絵美