介護保険を使いやすくするのは私たちの声
原則3年に一度改定される介護報酬。2024年度の改定では1.59%プラスとなったが、訪問介護は2~3%減額となった。利益率が高いことを理由としている。しかし、それは都会で効率的にできる場合であって、山梨県民主医療機関連合会のアンケートでは、8割が経営が悪化する、事業の継続が難しくなると回答。介護事業所の閉鎖も相次いでいる。
そのような状況で、8月3日午後、山梨で、「どうなる?どうする!介護保険 講演&リレートーク」が行われ、横須賀からZOOM参加しました。
講演は、社会学者で介護問題にも精通される上野千鶴子さん。それまでの家父長制度から大きな変革をもたらした介護保険制度の発足から今日までの複雑な変遷を紹介し、地域包括ケアといいながら、自身も取り組んできた在宅死(終末)が見えなくなってきたことに怒りを示されました。リレートークでは、介護の現場からは、生活援助が生きるを支えている、加算方式は事務が煩雑で使いにくいとのことでした。また利用者からも、事業所が無くなったら困ってしまうこと、若い人ヘルパーさんがいないことなど不安の声が上がりました。
上野さんは、ケアマネを独立させなかったことと、介護度で限度額を設定したことが制度設計のミスであり、ケアマネが必要なサービスを組み立てる適正利用が本来。施設の配置基準が3:1に減らされたことは戻すように要求することと提案されました。このままでは逆戻り!訪問介護に身体と生活援助で単価が違うことや20分間という時間の区切りにしたことは問題で、統一した単価にして1時間単位の戻することで、訪問サービスを提供できるのではという提案は、とても具体的で実現したい内容と感じました。財源も防衛予算の増額に異論を示し、問題意識が同じだったことも共有できました。
要介護1・2の制度切り離しやケアマネの有料化をなんとか踏みとどまらせたのは私たちの声!どうなる?ではなく、どうする!の視点で今後も声を上げなくては!と力説されました。
改定ごとに複雑化する制度ですが、変遷と提案を一気にお聞きできる機会をいただき、頭の整理ができました。横須賀市は市域も広く、3方が海に囲まれ高台が多く地形が複雑で公共交通機関が少なく遠いところも多く効率が良いとは言えません。声をあげないと。