天領と言われている横須賀市で脱官僚を掲げた新市長が誕生!

2009年6月28日(日)投開票された横須賀市長選挙で、33歳の元市議が市長に初当選!

横須賀市はこの日、36年間9代にわたって続いた官僚出身者による市政運営に終止符が打たれるという歴史的な雨の一日となりました。新市長は、33歳と全国で3番目に若い吉田雄人元市議。1200回の駅立ちで鍛えた訴える力とわかりやすいマニフェスト、そしてインターネットを駆使して勝利を勝ち取りました。
 小泉元総理や横須賀選出の県議、市議30人余が推し、2期目を目指した蒲谷氏は、約4千票の差で再選を果たすことができませんでした。また、第3の候補者、呉東正彦弁護士は、スタートが出遅れたこと、そして市民活動の実績はあったものの、やはり知名度が低いという2人に比べて圧倒的に不利な点を最後まで挽回することはできませんでした。
今回の市長選の特徴は、一つは、マニフェストが前面に出たこと、そして三つ巴になったことで、市民の関心がこれまでになく高かったことだと思います。前回の2005年も4人の候補者が出て、保守が割れたため、投票率もそれまでの30%台から40%になりましたが、マニフェスト型とまでは行かなかったと思います。
今回は、一日中強い雨が降ったにもかかわらず、投票率は45%を超えています。
蒲谷氏は、自分の業績を誇り、現状維持が大事だとしました。しかし、そのことこそが、市民の想いを汲んでいなかった、市民の声を聴いていなかったことを示しているのではないでしょうか。吉田氏は清々しさを感じさせるブルーをイメージカラーとして「チェンジ」を掲げ、また呉東氏は、「市民の力で変わる横須賀」というフレーズを訴えの中心にしました。そして、数で言えば蒲谷氏の得票数64,147票に対して、吉田氏と呉東氏を合わせた票数は91,762票と9万票を超えたことが物語っているといえます。
さて、一方地方議会のあり方についても、タレント知事のメディアへの露出が増えたせいか、だんだん市民の関心が高くなっているようです。議員自身がそれをどう捉えるのか、議会活性化のチャンスと捉え、市民への情報公開を高めていく方向にいくのか、またはそうでない方向に行くのか、試されているのではないでしょうか。横須賀市では、市民が市政のチェンジを望み、まずはスタート地点に立ちました。これからは、一握りの人たちにお任せではなく、市民自身が「チェンジ」にチャレンジし続けることが求められます。そうしなければ、せっかく勝ち取った天下り市政返上は、なし崩しになるかもしれません。市民のみなさん、市長選は終わりましたが、これからも市政や議会に対して関心を持ち続け、そして参加型を高めていきましょう。(K)