「震災瓦礫処理を考える」
松原有子
2月19日、講師に宮城県登米市で産廃業を営んでいらっしゃる柳川義秀さんを迎え、被災地の視点で瓦礫処理についてのお話を伺う。柳川さんには被災地訪問の時にお世話になった。震災瓦礫は放射能の問題に焦点が当たりがちだが、広域処理に疑問が残る。「何故、今の時点で広域処理なのか?被災地での瓦礫については議論が始まったばかり、持って行かないで欲しい。」「震災で職を失った方の多くは雇用保険と義援金で生活しており、作業員は日給8,000円の求人でも人が集まらない。しかし、雇用保険も3月で切れ、職探しは深刻になる。」「地元での瓦礫処理も小さい業者では難しい金額を用意出来ないと入札出来ない」そうだ。このシステムも問題があるが、瓦礫処理は地元の雇用につながると思う。被災地では未だに復興計画が立っておらず、登米市はセシウムのついた稲藁の処理にも頭を悩ませている。瓦礫を無くせば、直ちに復興に繋がるわけでは無い。瓦礫処理の費用は地元ならば1トンあたり3万円だが、関東に運ぶには大きく上乗せされる。海沿いでは70cm〜1mの地盤沈下が起こっており、土地の利用はすぐに出来ない。放射能汚染されていない瓦礫ならば、埋め立てる時などの資源になるはずだ。瓦礫を広域処理にし、3年間しか費用の請求を認めない国の特別予算。期間の延長も含め、見直す必要がありそうだ。