『 震災がれきの受け入れは慎重に』 ―芦名県産廃処分場に漁網の受け入れは必要なし―

政府は、東日本大震災と福島第1原子力発電所放射能事故により発生したがれきに、1700億円の予算と3年間の期限をつけて処理を行うとしました。しかし、深刻な放射能汚染や化学物質やアスベストなどの問題も表面化し、広域処理をすすめる国や受け入れを検討する自治体に対して、焼却による放射能の再拡散や処分場からの放射性物質の流出、運搬経費の無駄遣いや地元雇用・復興資材として活用を図るべきとの、様々な問題が提起されました。

 広域処理は、自治体の持っている焼却場や最終処分の余力に応じて被災自治体と行うものです。環境省が、約4億円もの広報費用を使い、被災自治体や県内での処理をすすめるうちに、つじつまが合わない状況に陥っています。大手新聞社に全面広告を載せる等、マスコミを使った世論誘導も目に余ります。

宮城県では、放射能の再拡散等は問題ですが、すでに31基もの焼却施設を設置し、全量処理が出来る上、鹿島JVに2,000億円で全量処理委託を契約したにもかかわらず、北九州市にt当たり175,000円(阪神震災では2・2万円)にもなる二重契約をすすめる等の事態に発展しています。東京都も、7万円近い契約で処理をすすめて問題になっています。

 環境省は、見直し作業を行い、8月7日には新たな全体計画ともいえる「処理工程表」を示しました。ここでも神奈川県に対して焼却灰に変わり、岩手県の漁網を受け入れるようと交渉を継続、市長もその意向を受けて、協定を結ぶ地元町内会に働きかけています。

環境省は環境を守る仕事に徹し、県・市は災害に備えて処分場を大切に使って下さい。怪しい公共事業に手を出すべきではありません