岩国と呉の現状を伺う

1月26日、横須賀で、ピースリンク広島・呉・岩国の新田秀樹さんから話を伺った。岩国は、2003年生活クラブ神奈川の企画で訪問した時には、すでに基地の沖合に新しい滑走路ができる埋め立てが始まったところで、埋め立てに使われる土砂を愛宕山からベルトコンベアで運ばれる光景が目に焼き付き、その跡地には米軍住宅を建設するという話しに驚いた。

完成した基地は、2018年から米海軍横須賀基地を母港とする原子力空母の艦載機が厚木飛行場から移転し、運用されている。艦載機による訓練や離発着で騒音被害が確実に増え、その範囲も島根にも及んでいるそうだ。大竹市の阿多田島は漁業などを営む84世帯の小さな島だがうみかぜのおかげでエアコンなどなく、飛行ルートになってから、市民によるアンケートでは9割が困っているとしている。また、いけすで行われている養殖では騒音のために魚が餌を食べないなど影響が出ているそうだ。防音工事はしても天井は対象外なので、対象とすべきと話された。

昨年11月CMV22オスプレイとステルス戦闘機F35Cも配備され、軍事強化されている。屋久島沖で墜落し8人が亡くなったオスプレイも岩国から離陸し墜落の懸念も増している。また、12万人のまちに2500人が岩国に配属されたので家族を含めると1万人近い基地関係者が住み、2022年には米兵による性暴行事件も起こっており治安の悪化も深刻という。完成した愛宕山の住宅は遠いこともあり空きが多く、実際には基地内や市内の居住が多いそうだ。

呉は、横須賀と同じように軍転法で民間企業などが進出したまちです。しかし、横須賀の関東自動車が海上自衛隊になったように、新日鉄が再度自衛隊の用地になるそうです。その広さも、海岸につながる東京ドーム37個分。海上自衛隊呉基地では、南西地域の離島へ車両や人員を輸送する専門の部隊として「自衛隊海上輸送群」(仮称)が2025年3月に発足するとのことです。部隊は陸海空の共同となり、発足時の人員は100人規模。2027年度末までに中型級船舶(LSV)2隻と小型級船舶(LCU)4隻、そして機動舟艇4隻の計10隻を取得する計画です。

自衛隊と米軍基地の強化が着実に進んでいる。