外国につながる子どもたちの学ぶ権利は

7月2日、神奈川ネットワーク運動主催学習会「外国につながる子どもの学ぶ権利を保障する~現場にある課題を知る」に参加しました。講師は、多文化共生教育ネットワークかながわ(ME‐NET)事務局長の高橋清樹さん。

まずは予習として、「外国人の子供の就学状況等調査結果について」に目を通しました。この調査は、2019年5月から6月に、文科省が市町村の教育委員会に向けて実施したもので、2020年3月に報告書が出されました。それによると、学齢相当の外国人の子どもの住民基本台帳上の人数は、小学生相当が87,033人、中学生相当が36,797人で、それぞれ全小学生数・全中学生数に対して約1%強です。

高橋さんからは、現場のリアルをお聞きしました。

住民基本台帳に記載はあるものの、学校に通っていない児童生徒が多くいるとの事実は、様々な問題をはらんでいます。

制度上、日本国籍はなくても日本に暮らす子どもたちには教育を受ける権利はありますが、一方で、行政に義務はないとのこと。子どもたちが教育を受けなくても、誰にも責任がないのです。

また、保護者が日本の教育制度を知らない、下の子の世話など家庭の労働力として頼っている(ヤングケアラー)という実態もあるそうです。

一度は学校に通っても、いじめにあったり、言葉・習慣の違いなどで適応できずに通わなくなるケースもあるとのこと。

夜間中学やフリースクールなど、様々な教育機会の確保の必要があるということです。

とにかく、子どもたちの実態が分かっていない、国の施策はあっても自治体が動いていない、とは問題です。

ところで、学齢期の子どもが平日日中に学校に行っていなかったら、かなり目立つのでは?と思い、彼らは何処で何をしているのかを質問しました。講師の高橋さんも、実は、それがわからないことが問題であるとの回答でした。以前は、ギャング集団などとして見えていたものが、今は姿が見えなくなっており、実態がわかりにくいことが課題であるということでした。

実態がわからなければ、解決につながりません。

子どもたちは、好んで日本に来たわけでなく、親に連れられて来ています。

日本は、外国人を安い労働力としている現状もあります。

この国に暮らす子どもたち誰もが、教育を受ける権利をはじめ、人権を保障されなければなりません。

横須賀市の外国人(米軍基地関係者を除く)は、約6,000人(2019年度)。教育を受ける権利は保証されているか、確認をしたいと考えます。

(小室たかえ)